つるむらさきに毒性があるのは嘘?花も実も食べられるって本当?

つるむらさきに毒性があるのは嘘?花も実も食べられるって本当?

我が家では家庭菜園でつるむらさきを栽培しており、夏は毎日のように頂いています。葉や茎はもちろん、花も実も食べられるつるむらさきは、暑い夏でもたくさん収穫できる大変ありがたい野菜です。

しかし、あまり馴染みのない野菜であるためか、「つるむらさきには毒性があるのではないか」と不安に思う方もいるようです。ジャガイモの芽やモロヘイヤの実に毒があるように、買ってきたつるむらさきに花や実がついていると、本当に食べても大丈夫なのか、なおさら不安になりますよね。

この記事では、つるむらさきを安心して食べられるように、毒性の有無や食べ過ぎによる危険性について詳しく解説します。

つるむらさきは花も実も毒性なし

花も実も食べられるつるむらさき

花芽のついたつるむらさき

つるむらさきは葉や茎だけでなく、つぼみも花も実も食べられます。むしろ花芽がついたつるむらさきが一番おいしいと思っているほどです。夏の暑さに強くどんどん伸びるので、夏は毎日のように頂いていますが、これまでつるむらさきを食べて体調を崩したことはありません。

つるむらさきに含まれる成分

とはいえ、つるむらさきを食べて体調を崩さなかったというのは、あくまで私個人の経験談でしかありません。

そこで、つるむらさきにはどのような成分が含まれているのか、文部科学省が公表している「食品成分データベース」を確認しました。以下は、生のつるむらさきの茎葉に含まれる主な成分です。

つるむらさきの主な成分一覧(可食部100g当たり)

成分含有量
エネルギー11kcal
水分95.1g
たんぱく質0.7g
脂質0.2g
炭水化物2.6g
食物繊維2.2g
ナトリウム9mg
カリウム210mg
カルシウム150mg
マグネシウム67mg
リン28mg
鉄0.5mg
亜鉛0.4mg
銅0.05mg
マンガン0.29mg
β-カロテン当量3,000μg
α-トコフェロール1.1mg
ビタミンK350μg
ビタミンB10.03mg
ビタミンB20.07mg
ナイアシン0.3mg
ビタミンB60.09mg
葉酸78μg
パントテン酸0.21mg
ビタミンC41mg

※文部科学省「食品成分データベース」の「野菜類/つるむらさき/茎葉/生」を参照。


カルシウムやβ-カロテン、ビタミンK、ビタミンCなど、さまざまな栄養成分が含まれていますね。モロヘイヤの成熟した実や種とは異なり、つるむらさきは葉や茎だけでなく、つぼみや花、実も食べられます。なかなかスーパーでお目にかかる機会はありませんが、見かけたら積極的に食べたい野菜です。

つるむらさきの食べ過ぎは毒?

つるむらさきにはシュウ酸が含まれているため、食べ過ぎると毒になるという説があります。

シュウ酸とは、ホウレンソウやタケノコなどにも含まれている、いわゆる「あく」の成分です。つるむらさきにどのくらいのシュウ酸が含まれているのかは、「食品成分データベース」にも記載がないため、正確にはわかりません。一方、シュウ酸の含有量がもっとも多いといわれるホウレンソウについては数値が掲載されており、100g当たり0.7gのシュウ酸が含まれています。

シュウ酸は確かに毒性のある物質で、一度に4~5gを摂取すると、急性中毒を引き起こす可能性があるといわれています。仮にシュウ酸4gをホウレンソウから摂取しようとすると、単純計算では一度に約570gも食べなければなりません。しかも、「生の状態で」です。

つるむらさきがホウレンソウと同じくらいのシュウ酸を含んでいたとしても、一度に600~700gものつるむらさきを、生で食べることはまずないでしょう。しかも、シュウ酸は水に溶けやすい性質を持っており、お湯で3分ほど茹でると、約半分に減るという報告もあります。

そのため、つるむらさきをよっぽど食べ過ぎない限りは、急性中毒を引き起こす可能性はかなり低いと考えられます。少なくとも、適量を食べる分には毒性を恐れる必要はありませんので、つるむらさきが手に入ったら、おひたしなどでおいしく頂きましょう。

つるむらさきに毒性があると思われている理由

以上のとおり、つるむらさきに毒性はなく、葉も茎も花も実も食べられる野菜です。家庭菜園で育てている人も多く、つるむらさきに毒性があると考えたことすらない人も、少なくないのではないでしょうか。

しかし、実際には「つるむらさき 毒性」と検索する人が結構いるようです。どうしてつるむらさきに毒性があると思うのか、もしくは、毒性がないか不安に感じるのか、その理由について考察してみました。

あまり馴染みのない野菜だから

一つは、単純につるむらさきが、あまり馴染みのない野菜だからではないでしょうか。

つるむらさきはスーパーなどで見かけることが少ないため、一度も食べたことがないという方もいるでしょう。実は私もその一人で、家庭菜園を始めるまでは、つるむらさきという野菜を知りませんでした。

自分で買ってきたのならまだしも、誰かに買ってきてもらったり、家庭菜園をしている知り合いからもらったりすると、「どうやって食べるの?」「生で食べても大丈夫?」と疑問に思うでしょう。そうして食べ方を調べているうちに、毒性はないのかと気になってきた方もいるかもしれません。

モロヘイヤと勘違いしている説

ネットで「つるむらさき 毒性」と検索すると、「つるむらさきをモロヘイヤと勘違いしているのではないか」という考察がたくさん出てきます。どれも似たような内容で違和感がありますが、つるむらさきとモロヘイヤを間違える人が、それほど多くいるとは思えません。

つるむらさきもモロヘイヤも、スーパーなどではあまり見かけないため、馴染みのない方は多いかと思います。どちらも夏の葉物野菜であり、栄養豊富な健康野菜と言われている点も同じです。また、粘り気があるのも一緒ですね。

しかし、見た目はまったく違います。

つるむらさき
モロヘイヤ

つるむらさきは、漢字で「蔓紫」と書くように、つるを伸ばして育つ植物です。紫色のつるを持つ品種では、葉は濃い緑色で、大きくて丸みがあります。

一方、モロヘイヤは茎が真っ直ぐ伸びる植物で、葉はつるむらさきよりも小さくて細長く、ギザギザしています。茎が緑色のつるむらさきもありますが、モロヘイヤとは大きさも形も大きく違うため、見間違えることはないように思います。

ただ、「モロヘイヤには毒がある」と聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。そこから連想して、「そういえば、つるむらさきは大丈夫なの?」と気になった方もいるかもしれません。

いずれにしても、「つるむらさき 毒性」で検索するのは、つるむらさきをモロヘイヤと勘違いしているのではなく、単純に毒性があるのか気になっただけではないでしょうか。

ちなみに、モロヘイヤの毒に注意が必要なのは、実(サヤと種)と古い茎です。スーパーで売られているのは、毒性のない若い葉と茎ですのでご安心ください。

つるむらさきをおいしく食べよう

つるむらさきは葉も茎も花も実も毒性はなく、おいしく食べられる野菜です。どこでも売っている野菜ではありませんが、スーパーで見つけたらぜひ食べてみてください。

家庭菜園での栽培も簡単で、何も手入れしなくてもよく育ちます。我が家では完全に放任栽培で育てていますが、毎日たくさん収穫できています。庭の畑やプランターなどで、ぜひ栽培にチャレンジしてみてください。

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